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鳳凰と獅子 -サントリー美術館- [展覧会]

不滅のシンボル 鳳凰と獅子 @サントリー美術館(六本木ミッドタウン内三階)
に行ってきました。(この間の日曜です^^ 模写が続かないので記事のネタに展覧会行ってきた話しでもいいかなと思って・・)
↓これです^^
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/11vol03/index.html

7月24日までやってます。

あんまり期待してなかったんで思いついたように前売りもなにも買わずに行きました。

正規の値段はらったら、次にベネチアグラスの展覧会、その次の南蛮屏風の展覧会のどっちかで使える
招待券ももらえました。サントリー美術館ってお得^^。コレクション少ないから苦労してるんだろうか・・・

朝早く一杯見たい人はミッドタウンは11時からしか開かないので
以下のリンクみてくださいね。
10:00-11:00入り方は以下のリンクをご参考に
http://www.suntory.co.jp/sma/access/access2.html


さて展覧会ですが・・・

日本画美術という一面となんだか学際的な角度から
鳳凰、獅子の図柄の変遷を追いかけられるとても興味深い展覧会でした。

入口には彫刻の狛犬があります。これも獅子なんですね・・・。

獅子は仏教的に魔物から人々を守ってくれる動物なのだそうです。
お寺の入り口に「あ」と「うん」の顔して二匹対でいますよね。
獅子舞の面やだんだんと牡丹の花とセットで描かれることになったとか
そんな図柄の変遷が丁寧に描かれてました。

蒔絵とか刺繍とか、歌舞伎の連獅子とか
そして西洋人(オランダ)が写生した絵をみてリアルな大和絵でライオン描いた人が現れたり
いろいろと面白いものが見れます。

獅子の方では
狩野永徳の二匹の獅子の絵(これ・・国宝でも重文でもないんだ・・・もっと貴重なものかと思った^^)
が見れました。初です。
豊臣秀吉が毛利攻めの時、毛利輝元に送ったと聞きました。
大きくて前からいざなうように導く獅子とそれについていく獅子・・・
これを見て、毛利が帰順したとかなんとか・・


近くでみると模写をミニチュアでやるのは難しいなと思いました。

もともと六曲一隻だったようですが10畳くらいの広い部屋の壁いっぱいくらいにかなりデカイ
絵です。
獅子のタテガミは緑に渦巻いてぐりんぐりんに迫力ある。足からも尻尾からも胸からもモジャモジャと生えていて
その渦は金泥で協調されてる。
まわりの岩や木の肌もこの大きさならではのかすれた墨やぼたっと筆で落とした墨で表現されてて
ミニチュア模写では絶対無理な世界。
・・・でもいつかこれの模写も描くかもしれません^^

さて永徳のひ孫に常信という人がいるそうですがその人が後から左にもう一つ六曲一隻を加えて
合わせて六曲一双としたそうです。

その横にあるコメントが「ひ孫が付け加えた左隻と永徳の右隻は画力の差があって・・・」みたいに
なんか常信がかわいそうになるような(どっちが下手とは書いてないがなんとなくそう思える)
書き方がされてる。

常信はにゃんこみたいなとらのような獅子でぴょんととんでる。
ユーモラスでかわいいようにも思うけどダメなのかな・・・

狩野山楽とかもありました。獅子ですが・・・この人は永徳に似てると思いました。タテガミの勢いとか
狩野派は江戸と京都に別れ、関ヶ原前後にどちらの政権が残っても生き残れるようにしたのだと聞きます。

山楽は京狩野という方になりましたが、永徳の画風はこっちの方がよく引き継いでると言われてます。
僕もこの展覧会で実感しました。

獅子は自分の子を谷に突き落とす・・みたいな絵もありました。(歌川国芳)
うーんかわいそうだ&その獅子はいまいち強そうでもない。

仏様が馬に乗るみたいにのってる獅子とか・・いろいろとイメージの膨らむ絵が多くたのしかったです。



さて鳳凰・・・中国では貴人が生まれるときに現れる吉祥の鳥なのだとか・・
へぇ・・・しりませんでした。勉強になりました^^

鳳凰は平等院のものを複製したものや、古く中国で作られた鏡に彫られたものとか
リンク先にある狩野探幽の鳳凰がありました。
どれみても思うんですが・・頭がでかくて・・・鶏みたい^^
目が細くなってて怪しげな目つきのクジャクみたいな羽を持つのが
高貴な感じしますね^^


僕は見逃しちゃったんですが、有名な伊藤若冲の四角いタイルを張り合わせたかのような
(白い象とか、かかれてる南国の絵のようなの・・)も来てたみたいです。(これにも鳳凰があったらしい。)
見たかったな・・・

でも若冲の水墨画の鳳凰(&鷹とか鶴とかの鳥6種の作品)がみれました。
僕が印象残ってる若冲は極彩色で雪がどろんとしてて赤と藍色が目に飛び込んでくる
ような鶏とかなんだけど・・・(あ、そうそう若冲の鳳凰図も来てたらしい・・見逃しました。)

この水墨画の若冲は、たとえば鶴の体などはひと筆でぐるんと描かれてて細密というよりは
勢い・・・本当に若冲・・・って感じがしました。
しかし形をとらえるセンスはさすがの若冲です。写実派でない絵もそのまま描き続けてほしかった気がしました。

鳳凰は蒔絵の作品(書台と硯箱とか)が綺麗でした。
蒔絵の箱・・なんかほしいな・・とても自分の道楽で買えないので作ってみようかな^^
複製画でなくてオリジナルでやってみたいな。


全体の展示からよみとったこれらの二つの図象の変遷の流れは

獅子(ライオン)と鳳凰は想像の世界で図柄が定着してたけど
獅子は「強い」⇒「美しい&めでたい」⇒「もう一回実際のイメージに即して強い」と
印象が変遷して
鳳凰は想像の生き物としてどんどん固まって行ったようですね。

教訓ですけど美術展は会期中に作品が入れ替わったりするので
目当ての作品がいつ入るのかみないとだめだなぁと思いました。

僕のブログでも気になる展覧会は名作の展示期間を併記してご紹介しようと思います。
(東京に住んでるので関東近辺の情報になると思います。)
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