琳派私淑 -夏秋草図屏風- 模写 [琳派]
皆さん。こんにちは。藤島 修(ふじしま おさむ)と申します。
このブログは日本画好きな素人である僕が趣味で有名な絵を模写してその画像をアップロードしてる
サイトです。
自分で勝手に誰かに感銘受けて真似して勉強することを「私淑(ししゅく)」と言うそうです。
僕は今、あらゆる偉大な画家を私淑して、(模写っていうよりいいですよね。^^)いくつもりです。
そこでこのブログを「私淑画人堂」・・・と名づけました。
僕はこんな風に絵を描くことを楽しんでます。
そしてみなさんも共有してくれたらきっと楽しいだろうと思って
こつこつと絵を描いていこうと思います。
コメントやメッセージなどお気軽にお願いします。
今日のテーマは
江戸琳派:酒井抱一の夏秋草図屏風・・・・。
重要文化財です。
【絵の作者と絵について】
酒井抱一(さかいほういつ)
江戸時代の今から250年ほど前の画家です。
徳川家に家康の天下取り以前から使えてた大名酒井家の御曹司でした。
姫路藩の藩主の家柄で、お兄さんが家督を継ぎ、自分は病弱なふりして
出家して画家としての人生を全うしました。
最初は美人画なども描いてましたが
自分自身はあったこともない尾形光琳の絵を見つけて
光琳生誕100年の折に種々の絵を見つけては私淑して
模写し、大いに尾形光琳の名前を高めました。
尾形光琳に連なる画家の派閥は琳派(りんぱ)・・といわれますが
酒井抱一にいたるまでは
俵屋宗達⇒尾形光琳⇒酒井抱一
のそれぞれの人間はあったこともありません。
憧れだけで私淑した人をまとめて「琳派」と呼ぶようです。
ちなみに酒井抱一の後は弟子が後を継いで画風が伝わっていき
これは江戸琳派と別称されます。
酒井抱一は実家からの送金もあったのだと思いますが
高い顔料や金箔・金泥をふんだんに使ったきらびやかな絵を
たくさん残していて、目を奪われます。^^
この「夏秋草図屏風」は
尾形光琳の描いた風神雷神図屏風の裏側に
描かれた絵だそうです。
あちらは金箔の上に描かれていて
こちらは銀箔の上・・・
日本画というより古来中国から
金は昼の太陽の光を象徴し、
銀は夜の月の光を象徴するという考えがあるそうですが
昼の金に対してうらに夜の銀を配したのかと思います。
そして風神の裏には風にたなびくススキと飛ばされる紅葉
雷神の裏には流れる川と雨にぬれるススキや花をおいている。
抱一の光琳への気持ちでかき上げた様子がよく伝わるなぁと感じます。
絵のなかの空間も広くとられていて凛とした雰囲気を感じますし、
風神雷神も二人の神様の間の距離からくる緊張感があるのですが
そこに通じる不思議な印象があるなと思います。
参考に↓これが表(尾形光琳版の風神雷神図屏風)
抱一は宗達や光琳以上に魅力ある画家だと思います。
↓この画集お勧めです。抱一前後の江戸琳派の絵がたくさん十分な大きさで楽しめます。
【模写について】
いままではA5サイズの小さな色紙に描いてましたが・・・
今回は寄せ書きサイズというか・・・240mm×270mmのややデカイの2枚組で
描いてみました。
この趣味・・さくっと描くのが楽しくてA5サイズでやってみようと思ってたんですが
(だいたい一晩で描けるし^^・・・)
この絵(夏秋草図屏風)はA5のミニじゃ描けないと直感で思いました。
なんでデカくなきゃいけないか・・・
今まで描いた「雷神(尾形光琳)」「かきつばた(尾形光琳)」「雪松(円山応挙)」
の3枚で一番大変だったのに大してうまく描けてないと反省してるのが「かきつばた」
でした。
葉っぱが密生してる様子を本物は人の背丈ほどの屏風で、模写がA5の色紙というのは無理があります。
大きいサイズでやってみましたが・・・うひゃー、難しかったです。
葉っぱがたくさんある絵は本当に大変。
描いてるとどこやってるのかどんどん勘違いするし、
細い線を描くつもりで筆つけると「ぼたっ」としてしまう。
でも・・素人の遊びですからクオリティは別にとにかく描いては載せてみます。
左側(左隻:させき)
右側(右隻:うせき)
アトリエ紹介という二つ前の記事で下塗り工程まで紹介してるのですが
僕はアクリル絵の具というのを使ってます。
せっかく描いた絵がいつまでも残ってくれるように
水をはじく絵の具でかつ狭い部屋の中で油のにおいさせないようにと思って。
で本物はだいぶん傷んでるので銀がかすれてるようなので銀色を下塗りしています。
抱一の他の絵をみると完成当時にこのような薄汚れた色の下地を描いたはずがないと
思うので・・・想像で銀をとにかく平らに塗りました。
銀は金のように200年や300年の時を越えられる貴金属でなく、実質卑金属なので
きっと痛んでるのだろう・・と考えての下塗りです。
あとは白や赤(緋色)を後からススキの緑でつぶすつもりで描いておきました。
あと本物に見られるように川に金の線、葉っぱに葉脈が金の線で描かれているのを
真似しました。ただ・・・これは筆でやるのはほとんど神業のテクニックがいるなぁと
実感・・おはずかしながらぼたっと落ちてるところも散見しますね^^
川の流れは絶望的です。^^ 筆ペンやなんかで金の顔料的なインクが濃く置ける画材があれば
上塗りしてやり直したい^^
緑はアクリルの千歳緑という色とそれを等量の白と混ぜた色で葉の裏表を塗り分けました。
これもところどころぼたっと来てます(あはは)。
マスキングテープでカッター入れようかとかいろいろ考えたのですが
とりあえずこの状態であげます。
(正確に葉を1枚1枚書き写すのは無理なので
着想だけ同じくしてそのときの気分で葉を書いて
若干別の絵を描いてみよう・・)
このブログは日本画好きな素人である僕が趣味で有名な絵を模写してその画像をアップロードしてる
サイトです。
自分で勝手に誰かに感銘受けて真似して勉強することを「私淑(ししゅく)」と言うそうです。
僕は今、あらゆる偉大な画家を私淑して、(模写っていうよりいいですよね。^^)いくつもりです。
そこでこのブログを「私淑画人堂」・・・と名づけました。
僕はこんな風に絵を描くことを楽しんでます。
そしてみなさんも共有してくれたらきっと楽しいだろうと思って
こつこつと絵を描いていこうと思います。
コメントやメッセージなどお気軽にお願いします。
今日のテーマは
江戸琳派:酒井抱一の夏秋草図屏風・・・・。
重要文化財です。
【絵の作者と絵について】
酒井抱一(さかいほういつ)
江戸時代の今から250年ほど前の画家です。
徳川家に家康の天下取り以前から使えてた大名酒井家の御曹司でした。
姫路藩の藩主の家柄で、お兄さんが家督を継ぎ、自分は病弱なふりして
出家して画家としての人生を全うしました。
最初は美人画なども描いてましたが
自分自身はあったこともない尾形光琳の絵を見つけて
光琳生誕100年の折に種々の絵を見つけては私淑して
模写し、大いに尾形光琳の名前を高めました。
尾形光琳に連なる画家の派閥は琳派(りんぱ)・・といわれますが
酒井抱一にいたるまでは
俵屋宗達⇒尾形光琳⇒酒井抱一
のそれぞれの人間はあったこともありません。
憧れだけで私淑した人をまとめて「琳派」と呼ぶようです。
ちなみに酒井抱一の後は弟子が後を継いで画風が伝わっていき
これは江戸琳派と別称されます。
酒井抱一は実家からの送金もあったのだと思いますが
高い顔料や金箔・金泥をふんだんに使ったきらびやかな絵を
たくさん残していて、目を奪われます。^^
この「夏秋草図屏風」は
尾形光琳の描いた風神雷神図屏風の裏側に
描かれた絵だそうです。
あちらは金箔の上に描かれていて
こちらは銀箔の上・・・
日本画というより古来中国から
金は昼の太陽の光を象徴し、
銀は夜の月の光を象徴するという考えがあるそうですが
昼の金に対してうらに夜の銀を配したのかと思います。
そして風神の裏には風にたなびくススキと飛ばされる紅葉
雷神の裏には流れる川と雨にぬれるススキや花をおいている。
抱一の光琳への気持ちでかき上げた様子がよく伝わるなぁと感じます。
絵のなかの空間も広くとられていて凛とした雰囲気を感じますし、
風神雷神も二人の神様の間の距離からくる緊張感があるのですが
そこに通じる不思議な印象があるなと思います。
参考に↓これが表(尾形光琳版の風神雷神図屏風)
抱一は宗達や光琳以上に魅力ある画家だと思います。
↓この画集お勧めです。抱一前後の江戸琳派の絵がたくさん十分な大きさで楽しめます。
【模写について】
いままではA5サイズの小さな色紙に描いてましたが・・・
今回は寄せ書きサイズというか・・・240mm×270mmのややデカイの2枚組で
描いてみました。
この趣味・・さくっと描くのが楽しくてA5サイズでやってみようと思ってたんですが
(だいたい一晩で描けるし^^・・・)
この絵(夏秋草図屏風)はA5のミニじゃ描けないと直感で思いました。
なんでデカくなきゃいけないか・・・
今まで描いた「雷神(尾形光琳)」「かきつばた(尾形光琳)」「雪松(円山応挙)」
の3枚で一番大変だったのに大してうまく描けてないと反省してるのが「かきつばた」
でした。
葉っぱが密生してる様子を本物は人の背丈ほどの屏風で、模写がA5の色紙というのは無理があります。
大きいサイズでやってみましたが・・・うひゃー、難しかったです。
葉っぱがたくさんある絵は本当に大変。
描いてるとどこやってるのかどんどん勘違いするし、
細い線を描くつもりで筆つけると「ぼたっ」としてしまう。
でも・・素人の遊びですからクオリティは別にとにかく描いては載せてみます。
左側(左隻:させき)
右側(右隻:うせき)
アトリエ紹介という二つ前の記事で下塗り工程まで紹介してるのですが
僕はアクリル絵の具というのを使ってます。
せっかく描いた絵がいつまでも残ってくれるように
水をはじく絵の具でかつ狭い部屋の中で油のにおいさせないようにと思って。
で本物はだいぶん傷んでるので銀がかすれてるようなので銀色を下塗りしています。
抱一の他の絵をみると完成当時にこのような薄汚れた色の下地を描いたはずがないと
思うので・・・想像で銀をとにかく平らに塗りました。
銀は金のように200年や300年の時を越えられる貴金属でなく、実質卑金属なので
きっと痛んでるのだろう・・と考えての下塗りです。
あとは白や赤(緋色)を後からススキの緑でつぶすつもりで描いておきました。
あと本物に見られるように川に金の線、葉っぱに葉脈が金の線で描かれているのを
真似しました。ただ・・・これは筆でやるのはほとんど神業のテクニックがいるなぁと
実感・・おはずかしながらぼたっと落ちてるところも散見しますね^^
川の流れは絶望的です。^^ 筆ペンやなんかで金の顔料的なインクが濃く置ける画材があれば
上塗りしてやり直したい^^
緑はアクリルの千歳緑という色とそれを等量の白と混ぜた色で葉の裏表を塗り分けました。
これもところどころぼたっと来てます(あはは)。
マスキングテープでカッター入れようかとかいろいろ考えたのですが
とりあえずこの状態であげます。
(正確に葉を1枚1枚書き写すのは無理なので
着想だけ同じくしてそのときの気分で葉を書いて
若干別の絵を描いてみよう・・)
とても綺麗ですね!
自分でそんなに綺麗に写せたら気持ちいいでしょうね。^ ^
by 友 (2011-07-19 00:43)
友さん コメントありがとうございます。綺麗ってうれしい。ぴったり写すのはこの絵だときついですけど、自分なりの絵だと思えばこれでいいかなと思ってます。どなたでも楽しくできますよ。 ぜひまた遊びに来ていただければ
by 藤島 修 (2011-07-19 00:49)