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琳派私淑 -朝顔図屏風:鈴木其一作 右隻右側部分模写- [琳派]

日本ではなかなか見れない外国に売り払われてしまった名画とおもう作品が
たくさんあります。

今日は・・・というよりここ一週間ほどかなり時間かけて自分のベストつくして
模写したのがこのニューヨークメトロポリタン美術館にある名品
「朝顔図屏風」(右隻のさらに右半分くらいを写しました)
kiitsu02.JPG

↑本物の写真ネットに落ちてなかったので僕の模写しか載せません。
(記事の末尾に原画の収録のある画集を載せます。)


描いたのは鈴木其一(すずききいつ)という画家で酒井抱一の一番弟子です。
かなり初期から頭角を現して、放蕩な師匠である抱一の名で代作をたくさんしてた
という説もあります。


朝顔の花も葉もまるで抽象的な記号のようにパターン化されて幾何学的なリズムのようなものを
感じさせる絵だなと思います。
コンピュータグラフィクスで作ったフラクタルの図形のように小さい葉から大きい葉が
渦を巻くようにくるくると見る者を幻惑してくれます。
あえて言うなら草花の中に小宇宙が存在するかのように上下の感覚をなくすような引き込み方を原作には感じますが模写がどこまで迫れているか^^

・・・僕個人はこの絵が描けて大変満足ですけど、もっと大きいのでもっと端麗に
描いてみたいという欲が沸きます。何度でも描いてみたいし、できれば実物の前で模写してみたい。
とにかく好きな絵ですね。
西洋印象派より後に出てきた抽象画の世界に通じる造形美だけを追求する潔癖さを感じます。
日本にあれば重文指定くらいにはきっとなったでしょう。

対象物をよく見るのは絵の基本だと思いますが、たぶん自然の摂理でこのようなつるの巻き方と
葉っぱのリズムがあるんでしょう。それを其一は見つけた。
他の琳派の日本画家(宗達・抱一など)の花や鳥はとても表情を持っていて息遣いが感じられる
叙情的なものですけど、この其一の図形のような朝顔にむしろ生命や神秘を感じてしまうのです。

新鮮ですばらしい絵だと思いました。そしてどうしてこれが海外に売り飛ばされちゃうんだ・・・と。


最後にこの絵のオリジナルの画像を見た画集のリンクを
貼ります。
興味のある方お求めになってください
(酒井抱一(=其一の師匠)の特集ですが、その弟子たちの絵もあれこれ載ってます。
 僕には其一が一番とんがってる絵を描いてると思えました。)

酒井抱一 (別冊太陽 日本のこころ)


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友

朝顔図屏風とても素敵ですね
綺麗だし、自宅にも飾りやすいですよね!

こんな風に自分で写せたら気持ちいいでしょうね♪
by 友 (2011-07-28 13:48) 

藤島 修

>友さん
またまたありがとうございます^^。
少し時間かかりましたが
アクリル絵の具の平坦塗りは素人でもすぐにできますので
やってみられるとはじめてでも手放したくないような作品できる
と思います^^

そうですね。これがうまいかどうか(美大の人などに迫れるレベルかどうか)
わかりませんが、描きあげたときにすごい満足感が出てきました。
愛着もわきました。

葉っぱとか細かい部分にぬりむらとかできちゃってまだまだなのはわかってもなんだかうれしくなりましたよ^^
by 藤島 修 (2011-07-29 01:36) 

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