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デザイン書道 [書道]

このブログは絵のブログなのですが
基本のコンセプトはアートって身近で楽しいですよ&一緒にやって楽しんでみませんか?
と呼びかけるようなブログにしたいとおもって書いています。

絵はアクリル絵の具を使って描いてますがそれだとブログに訪れてくれる方には
敷居が高いかもしれないし、そうだったら他に自分の楽しんでる別のアートも
紹介すればもっと楽しんでもらえるかも・・ということで書道の話。
大変装飾的でたのしい書道があって
僕もはまってるのでご紹介します。

普通の書道は楷書・行書・草書などをしっかり練習して
あくまでその基本を守って個人の個性を出していくものですよね。

でもレストランなどでメニューや壁に楷書でも行書でも草書でもない
あいだみつをよりちょっと整ってるような字みません?

あんな感じで楽しむ書道があるんです。
僕が手本にしてるのは
↓これ


練習帳付き実用デザイン書道―個性的な字を書く!


金魚鉢逆さにしたような半丸の中に虫の字を踊るように書いて「風」という字を書いたり
(まるで風の中でちょうちょやとんぼが飛んでるような・・・)
すごい自由闊達でほれ込みました。

また・・・僕が普段絵を描くのに使ってるようなアクリル絵の具でコルクやガラスに字を書いて
(乾くと水でも落ちないので)生活雑貨に自分の字を入れる試みがたくさんあり
とても独創的です。



僕もやってみました。材料はすべて百均で購入。
↓タイトル 「Earth wind and fire」
earth_wind_fire.jpg

↓タイトル「one dream」
one_dream_jp.jpg

↓タイトル 「I've been missing you(君がいないとだめなんだ)」
missing_en.jpg

↓タイトル 「Je suis tres attache a toi(君に夢中)」
attache_fr.jpg




どうせ楷・行・草のいずれでもないなら、英語やフランス語でもいいじゃない?
とおもってやってみました。

あと会社で自分の席はなれるときに
こんなのたててもいいかなと4cm角の色紙に
「もうすぐ戻ります」みたいなのを日本語と英語で^^・・・・

back_in_1_hour_using_en.jpg

back_in_1_hour_en.jpg

small_works_backs.jpg

たくさんあまってるアクリル絵の具で花瓶などに着彩してかつ絵を描いてみようかな
とおもったりしてます^^


根津美術館コレクション展 古筆切 ともに楽しむために 2011年7月13日(水)~8月14日(日) [展覧会]

根津美術館に行ってきました・・・。
本当はカキツバタの絵(=尾形光琳)や藤の絵(=円山応挙)が見れるんじゃないか(有名な絵なので特別展と関係なくいつでもみせてるんじゃないか・・・・)とおもって見に行ったのですが
表題にある「古筆切(こひつぎれ)」の展覧会でした。ちなみに期待の二作品は見れませんでした。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/collection-now.html


古筆切とは昔の人がさらに昔の人の書いたお習字というか「書」の一部を切り取って
掛け軸にはりつけてありがたく眺める・・・という美術品・・・

ふーん。面白いのかな・・・とか思いましたけどひょっとしたらのお目当ての絵に出合えるかもだし、
場所が表参道と職場のすぐ近くで昼休みに昼飯抜く覚悟でくればさっと見ていけるとおもったのです。

せっかく昼飯抜きで来て見ないのもなぁ・・・と1200円微妙でしたが入ってみました。
収集作品にあった「尾形切(おがたきれ)」というのが気になったのもありました。
尾形光琳が持っていたのだそうです。
その書道作品の切れ端をどのように見ていたのか・・・
なにか画家の気持ちに近づくことができないものだろうか・・・と
「切れ」ではないのですが、池大雅(いけのたいが)という画家が書いた書道作品も収集品にはあったのでちょっと期待して行きました。

根津美術館は表参道交差点から原宿の反対側にずっと行くと突き当たりにあります。
今回はじめていきましたが大変入り口までの道がおしゃれです。
茶道の茶房に招かれたような気分になりました。

竹のしつらえられた石畳の道をかきわけて入り口に行きます。
入り口には仏像、企画展のゾーンは1F、その他の常設展示品が3階にあります。
(2階は休む場所)
中庭が広くて、上ったり下ったりと高低差があって、散歩などにおあつらえ向き、
カップルの方にお勧めできるような憩いの空間のような気がします。
時間ないので入りませんでしたが食事などできるカフェもあり
美術品の見れる公園・・・のうように考えてもいいかもしれません。

光琳作品や応挙作品の展示期間はたぶん混むでしょうから
今回の書道関係の展覧会などはゆっくりと雅な時間を感じるには
よいかもしれません。

さて、古筆切ですが掛け軸にちょこっとちょん切られた書が小さく飾られてたりします。
で説明を見ると

「本阿弥切 伝 小野道風筆」なんて感じで

誰が持っていたか、誰が書いたかなどが説明されてますが
「伝」というのが多いです。

「伝」は・・・といわれてますが・・・(本当は)違います。ということです。
おののとうふうが書いたとおもって、
尾形時代の有名な美術コーディネータ本阿弥光悦という人が大事に大事に掛け軸にして
床の間飾って慈しんでたんですね・・・

つい贋作を掴まされてもめでている当事一流の目利きを想像してしまいますが
その書が書かれている紙はなんかの顔料で装飾されていて綺麗。
掛け軸に丁寧な刺繍がされていて
今の時代ではあるまいし、並々ならぬ敬意を抱いて書を飾ってありがたがってたんだなと
思います。

書道はそんなに知識ないのですが漢字のきっちり書いてある書(お経の書き写しなど)より
和歌がかなで流れるようにつながってる(連綿というそうです。別の記事で詳述します)
ものはなかなか美しいなと思います。
読めるところと読めないところがありますがこれがわかって書けたら雅だなと
変な興味が出てきちゃいました^^

文字そのものの流れや風格を楽しむのもあるでしょうが
書が書かれている紙の装飾性と掛け軸への装飾から、昔の人の
そのまた昔に抱く敬意の念を感じるのが面白い見方かもしれません。
かな書道の経験があって、万葉がな読み書きできる人(なにげに多いみたいですねこういう人)
ならかなり感じるものがあるでしょう。僕ですら墨でも摺ってみようかとおもうくらいですから^^

さて他には水のある風景と称して水墨画や若干の屏風絵(点数はいまいちです)があったり
3階に茶道具があったりします。いろんな分野に収集品があるからどの分野もちょっとづつしか見れないんですね。
ここで今見れる絵には芸阿弥という人の水墨画が重文指定作があるらしいです。
(阿弥とつくのは室町幕府のお墨つきの芸術家ということだそうです。)
あんまりぴんとこなかったなぁ・・・

カキツバタと藤が見れる日が来たら必ず行こうとおもってます。
またそのころにはこちらのブログでもご案内しようと思います。

ショップでは想像通りにカキツバタのあれこれグッズがありました。
藤はそんなになかったのですが大判の絵葉書があったので買いました。

展覧会はこの後刀剣などと続きますがたぶんがらがらでしょう。
こういう期間はデートコースなどに使っていただくにはなかなかいいかもしれません^^

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美しき日本の原風景 -山種美術館-(7月24日まで) 次回予告日本画どうぶつえん [展覧会]

美しき日本の原風景 -山種美術館-(7月24日まで)

表題の展覧会行ってきました。
http://www.yamatane-museum.jp/

渋谷か恵比寿からバス(歩いてもOKですが、暑かったり台風だったりするのでバス使った方がいいと思います。)
で2つくらい。
ぽつんとあります。

地下に展示室が大きいのと小さいのがあるだけで
おびただしい蒐集作品を持っているのにせいぜい60点くらいしか
見れません。

・・・・が近代の日本画のすばらしい作品をいつも見せてくれる美術館です。
企画展のたびに自分のとこ以外の作品も集めて
なんかのテーマ性をもって楽しませてくれるのは美術館の意欲なのでしょうね。
少し高いのですが上のリンクサイトで割引クーポン印刷したり、
前売り買っておけば結構安くなります。1000⇒900または800(前売)円。

今回は風景画。
もうほとんど会期終わりますので作品の感想と画家の紹介の記事になってしまいますが
とてもいい展覧会だったと思いますので紹介させていただきます。

山種美術館は近代のコメ取引所のドンみたいな山崎種三さんと言う人が
画家と付き合い深めながら作品を収集してきたそうです。
ですので作品は基本的に明治以降の近代作家がほとんどです。

ミーハーなので東山魁夷さんの作品など目当てで行きました・・が、やっぱりどれもこれもすごいと
思わされました。
以下は美術館のサイトにあった展示予定作品です。

大きい展示室1の内容:
 川合玉堂《春風春水》、《早乙女》、《山雨一過》、《溪雨紅樹》
 奥田元宋《玄溟》、《山澗雨趣》、《奥入瀬(春)》
 東山魁夷《春静》、《緑潤う》、《秋彩》、《年暮る》
 横山操《越路十景》(全10点)

小さい展示室2の内容:(富士山尽し)
 横山大観《霊峰不二》
 小林古径《不尽》
 安田靫彦《富嶽》
 伊東深水《富士》、

ほか約60点  

実はここにあげられた他に
川合玉堂さんの学んだ
円山派の絵や橋本雅邦の絵(幻想的な着彩をした竜虎の図などで有名。展示作は別ですが)
が参考展示として並んでいました。
予告と違いますといって作品が加わるのは大歓迎ですよね。^^

ここまでのブログ記事で取りあげたのですが僕は円山応挙大好きで
その流れを組む写実的な絵が大好きです。

川合玉堂さんははじめ円山派で学び、橋本雅邦さんの絵(例の竜虎図だったと聞きます。)
を見て上京を決意し、農村の自然を描きまくりました。その画風の根幹を知らしめるための
参考展示だったんだと思います。

まず円山応(なんとか)さん(・・・漢字忘れました)の絵を見ました。
ガラスケースに平置きで普通に売ってる画集くらいのサイズの本
(色紙のようなページの真ん中をくりぬいて絵の表面が重ならないようにしてあります)
を広げてあります。

他のページもみてみたくなるようなまさに円山派の写実的な美しさでした。
金の屏風に描かれたわけでもなく、普通に紙に墨で描きこまれあとから日光などを薄く赤く着彩してる
山間の景色の絵ですが応挙以来の伝統の写実(真景)画とはこういうものかと思いました。
円山派に師事するとこんな御手本を見させてもらえてやまほど絵を描かせてもらえたんだなぁ・・・と

次に割と川合玉堂の絵に似てる橋本雅邦作品(掛け軸)。

橋本雅邦の作品をそんなにしらないのですがもっと色のけばけばしいのを想像してましたが
意外と落ち着いてます。

それから川合作品を見て行きますと
色付けてるんですけど本質は水墨画ですね。
墨の濃淡でかなりのディテールを描いてから色がつけられる。

それと円山派にも橋本雅邦にもない特徴としてはすんごい牧歌的な農家の人の仕事の姿が描かれてます。
可愛い農家の人たちですね。

・田植えをして腰をあおってる人やせっせといねを置いてる人
・滝や水路の樋の写実的な表現の合間に小さく小さくかわいらしい人が描かれている。

ところどころ作品の展示の中に挟まれて画家自身の言葉が書かれています。
だいたいこんなことが言われてました↓(暗記してないので細部はごめんなさい)
「父も祖父も絵を描かなかったけれども小さなころに山に連れられては
 弁当を広げて景色を見ていた。僕には景色というのはこうやって幼いころに
 自分が実際に見て育ったものだ。(橋本雅邦先生のように)理想であれという景色は描けない」

なるほど、だからこの小さな人たちが必要なのかもしれない。
誰かがいてそこの自然と共生して恵みをもらってるその静かな感じが景色というものなんだろうな。

遠近を色の濃さや透視図法で表現したり、雪や吹雪を表現したり、滝が描かれていたりと
人のない景色もスケールがでかくて雄大で魅力あります。

あとでショップで画集(というか解説書)買ってしまいました。
画集見ると初期は本当に円山派ならではの金箔水墨画や
琳派顔負けにきんきらきんな屏風絵のようなものを描いてます。
・・・・すごいなぁ・・・どうしてこれが描けるようになってからなおあの牧歌的な農家の絵に還って行ったんだろう。
そう思うとかわいらしい農家の人たちがいるこの景色がいとも愛すべき景色なのだとつくづく思えました。

晩年を多摩ですごしたようで玉堂美術館というのがあるそうです。ちょっと暇になったら行ってみようと思いました。
大変多作で奥の深い画家だったのだなとつくづく思います。

展示室の付き当たりにあるのは奥田元宗の「奥入瀬」。
それとその向かいに「玄溟」。
この人は画家にはその人にあった色がある・・とか、そんな言葉を残したみたいですね。
彼にとってはそれが赤だったとか・・・。青の人もいるだろうし、黒の人もいる。
ぜんぜん違う画家ですがある画家(名前忘れた・・)が闇をもっとみたい・・と言ったりしたのを
思いだしました。
僕は画家でもなんでもないけれど、どんな色がこころの真ん中にあるだろう・・・
とか
彼がどういう風に赤を追いかけたのだろう・・・と思いました。
残念ながら彼の赤い作品がこの展覧会では少なくて見えてきませんでしたが・・・

松島に雪が降ったら教えてくれと知人に言って、雪が降ったと聞けば
それを描くために電車で行ったそうです。絵を描くというのは全身でやることなんだと思わされます。
そういう執念があるからこそ描けるんだろうなぁ。もう松島はこういう景色でなくなってしまったし・・・。

次は東山魁夷です。この人になるとついこの間までいらっしゃったし、とても身近に感じますが
1979年ごろに人間の生活を便利にするために山林を切り開き
なにかを失ってるこの国が豊かだと言っていいのだろうか・・・
本当に豊かな国というのは山河があり、自然と共生してて・・というようなことをおっしゃってます。

水俣病などの公害病のような歪みを頭において発言されたのかもしれませんし、
木が生い茂っていたお気に入りの場所が丸裸にされて道路が通ることを直感的に
嘆いたのかは分かりません。
どうか短絡に今問題になってる「原発問題」などとくっつけないでと思うのですが
画家の直感の発言はいろんなものを見つめて熟慮にまさって正鵠を突くものだと思います。

前人未到の土地に行かなくても、それこそただ一枚の葉を見つめるだけで自然というものは見えてくるとか
景色を描くということは人の心を描くことだとか・・・自分に根っこのない人は絶対に言えない言葉だと
思わされます。
画家とは生き様なのですね。昔はこんな画家がたくさんいたんでしょう。

次に横山操さん。確か近代美術館に五重塔が焼け崩れた絵を描いててそれが印象に残ってました。
名前だけ聞いていた(全部そろった話はあまり聞かない)越路十景の全作が一気に見れます。
金をふんだんに使ってるけど黒いイメージで厳しい景色だと思います。
綺麗とかそんなことでなく、ただ厳しくて迫る感じで孤独な印象でした。
五重塔も思ったんですが、どうしてこんな絵を描くんだろう。と思います。
不思議な力強さを感じます。好きになれないけど興味が離れない。

小さな第二展示室は富士山の絵ばかり。
結構な大御所の作品がならんでます。

ショップは速水御舟をグッズにしてるのが多かったです。
(次の展覧会でたくさん展示予定です。有名な絵が多い短命な方だったのでちょっと伝説的です。
 山種美術館の顔になりつづあるんでしょうね^^)
有名な炎舞という絵(仏画の不動明王の背中にあるような炎の周りに蛾が群れてる絵)のグッズオンパレード
で「もっといろいろあるのにもったいない・・・」と思いました。
速水御舟の花鳥画の絵ハガキと川合玉堂の画集を買って(amazonで買えばよかった^^)
帰りました。

ちなみに次は
夏休み企画 日本画どうぶつえん
だそうで、そのタイトルから子供を狙ってるのかもしれませんが
大人の日本画ファンがよだれをだしそうな近代名画がたくさん来ます。

以下は美術館から抜粋です。

出品作品:(予定)

竹内栖鳳《班猫》【重要文化財】(前半展示)
速水御舟《昆虫二題 葉陰魔手・粧蛾舞戯》(前半展示)

西山翠嶂《狗子》
西村五雲《白熊》
川端龍子《華曲》
横山大観《木兎》
山口華楊《木精》
竹内栖鳳《鴨雛》
小茂田青樹《雛》
川端龍子《黒潮》
徳岡神泉《緋鯉》、
山本梅逸《花虫図》
竹内栖鳳《蛙と蜻蛉》

小林古径《猫》(後半展示)
速水御舟《炎舞》【重要文化財】(後半展示)

ほか約60点  
*出品内容には変更が入る場合があります。


たぶん前期も後期も行くと思います。
2008年にも同様ないきものに焦点あてた展覧会あったようですが
(毎年やってるのかも?)
画家としていろいろ知りたいのは川端龍子・竹内栖鳳・速水御舟さんです。
あと、個人的には山口華楊の木精(こだま)がずっと前から見てみたかったです。
すごく楽しみな展覧会です。
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花鳥画のオリジナル絵手紙 [おもてなし作品]

いつもいつも模写ばかりしてると
自分の絵が描きたくなります。

サラリーマンの平日勤務後の夜で描ける物はたいしたものがありませんが
そろそろお盆だし、あまり帰ってない実家の親に絵のついたはがきでも送ってみようかと・・・

はがきサイズの色紙(63円@文具店)を買ってなんとなく憧れの琳派が描きそうな奴を
デッサンして描いてみました。

・・琳派とはおこがましいですが^^ 実家の親に送るなら味があっていいかもしれない・・・
↓こんなのできました^^

original.JPG

暑中お見舞いなんで雪降ってる絵(花は梅で旧正月だし・・・^^)
電気つかわんでも冷えるといいな・・つう気持ちを送ろうかと・・・

模写じゃないと気が楽ですね。

こんな風に描きました。

1.アクリル(ガッシュ)のゴールドライトとパールレモンという色を混ぜました。
  平筆ではがき大色紙に厚塗り・・・
  
  ゴールドはどうも他の色と混ざりづらく浮いてきてはムラを作ります。単色で塗ると水によく溶けないし・・・
  でもこの色がいいんだよなぁ・・・
  18号平筆で塗るとまあ一気に塗れるのですがデカイサイズは難しいかもしれません・・

2.はがきサイズの別の紙に適当に下絵。
  梅はなんとなく上にぴんと伸びてるほうが逞しい感じがして好きなので
  小枝を何本か伸ばしました。
  花を描きたいところになんこか丸を描いておきます。あとで白・ピンク・おしべの金を置くつもり
  鳥・・・花鳥ってんだから一羽くらいいないとなぁ・・・

  構図とかよくわかんないけど下に雪に耐える葉っぱと月を対角線に置こう・・と
  でもって鳥は寒い中なんか食べる実を見つけるといいよね。
  葉っぱにはあとで日本画風に金の葉脈つけるけど赤があると補色だし目立つかなぁ。
  鳥とつきにつながる線に向けて遊びをいれたいなぁ・・・

3.月を銀で塗る。以下はすべて0号筆。はがきサイズなのでとにかく細い筆がいいと思います。
  月の光が銀だから銀だけど太陽のでてるときに見える月・・とする。
  下の雪や木の輪郭を一旦銀でかたどっておいて、後から木の色や雪でぎりぎりまで塗って薄い境界線にする。
  (境界がいろいろ色あればちょっと絵が味出るかと思っての試み)

4.葉っぱの緑塗る。
  日本画っぽく平坦に濃く。緑は松葉色というのと消炭色というのを等量混ぜて濃くしました。

5.金(ゴールドディープ)と消炭色で木の地肌を塗る。混ぜたり、黒塗ってから金色をかすれるようにおいたり。
  なんとなく表情つける。・・難しいがなんとなく木の地肌っぽくなったらやめた。

6.黒で鳥も一旦塗る。またくちばしなどは金で置いておく

7.黒がつよすぎたので白をうすーく溶いて(ガッシュも相当薄くすると下の色が透けます。)
  色塗る。鳥の黒も薄い青で塗った。

8.白い雪塗る。赤で木の実。木の実の赤とのこった白混ぜて薄いピンクつくり梅を塗る。

9.一部残ってるゴールドを梅におく。

10.ゴールドと緑混ぜて木の地肌にさらに表情つける。

完成^^

民芸品のお土産みたいでちといい感じです。反対側に住所書いて切手貼れば普通に郵便になったはずです。
よし送ってみようっと。

簡単です。みなさんもいかがでしょう。


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歌麿私淑 -婦人相学 浮気之相- 喜多川歌麿作 模写 [美人画]

今日は前から気になっていた美人画浮世絵を模写してみました。

でも大きいのはちょっとやめて、
はがき大(100×147mm)の色紙に色鉛筆でやったらどんな仕上がりになるかな・・・と
アクリルをお休みです。
これならちょっと遅くなって帰ってきてもできるし・・
はがき大のミニチュアでも色鉛筆ならなんとかならないかな・・・と

いままで0号の超細い筆で240×270mmの普通の色紙まで挑戦しましたが
細密な絵はどうしても細部が納得いかず・・・

アクリル絵の具の不透明さで塗りなおしなどいくらでも効くのですけど
なんどやっても難しいものは難しい。

たくさん描きたいし、毎晩絵の具広げられないし・・・

そういうことで色鉛筆がアイデアとして浮かんできました。

・絵の具じゃないので同じ色を平坦にざっと塗るのが難しい
・色は12色とか少ないとどうしても重ね塗りがむらになり易い

・・と欠点もいろいろ思いつくけど
先を尖らせればどんな線でも模写できる・・というメリットは捨てがたい。
はがきサイズのミニチュアはこれしか回答がないんじゃないかとさえ思います。



【今日の作品】

喜多川歌麿の最初期の美人画シリーズ
「版画婦人相学十体浮気之相」
十体だから10枚組かと思えば8種しか知られてない(途中打ち切り)うちの一つだそうです。

東京国立博物館にはこれのうち「キラ刷り」(雲母を背景に刷り込んだもの。高級)が重要文化財指定で所蔵されてます。

とはいえ・・版画なので海外にも流出しててニューヨークにもきらずりでないコピーがあったり・・・
たくさんの「本物」があちこちに存在します。


浮世絵・・・そんなに好きでもなかったのですが、この間、歌川国芳の展覧会行って来て・・ちょっと見直して
で・・・思い出したのですが

世にたくさんある浮世絵の美人画で唯一・・・
「ムラっ」と来たのがこの「浮気之相」だったのでそのなまめかしさがかけたらなぁ・・と

まず本物の絵

391x600-2011041900021.jpg

チェストショットのこういうのを美人大首絵といいます。

蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)という人がいたんですが
この人が写楽や歌麿を大々的に売り出しました。
左上に枠つけて、これは歌麿さんって人が浮気の気のある女性っつうもんを描いてみましたよ・・
みたいな文字が入ってます。

僕が浮世絵嫌いだったのはこの文字がなんだか野暮ったいなと思ってたからです。
多色ずりの版画で見りゃわかることに名前付けてみたり、作家のサイン以上のものを残すのは
なんと無粋なんだろう・・と。

色数少なくて、表情も変化に乏しい・・とつい最近まで思ってました。
マス出版するために色数少ない・・・顔料をたっぷりとといて、金箔塗りたくる絵がいい・・とおもってたんですが。

やっぱこの絵は以前からなんか印象に残ってました。

着物から胸をはだけてますね・・・。
見えるかどうかよく見ていただきたいのですが
・うなじの毛がほつれてる。
・前髪もちょいほつれてる。

そして・・・
↓これ・・これが気になってた。
uwaki_bubun.jpg

ちょこんとのってる乳首とすっと線で描いた(というより「書いた」。ペイントでなくてドロー。線だけ。)
おっぱい^^。
博物館のは色がないけど外国には乳首にちょっと紅がのってる奴もあるようです。
着物が緑で乳首に紅がのってるのを模写のお手本(粉本といいます)にして本日の模写をしました。

歌麿はやっぱ天才。色少なく版画の線を単純にしないとマス出版ができなかったんだと思うんですが
この少ない色数と微妙な線で歳幼い少女のようなおっぱいと乳首が描けてしまう・・・
300年後の世のおっさんをむらむらさせるとはたいしたものです。

描いてやろうじゃないの・・・・俺・・・描くよ。おっぱいだけは歌麿に負けない・・(うそです)。

・・・と原作を褒めちぎっておきます。

春画もあるし、他に有名な美人画といえばぽっぴんを吹く女とか・・いろいろあるんだけど
この単純な線画で到達した微妙ななまなましさが僕は偉大だと思うのでこれを写します。

好みで乳首がピンクの奴を描く^^(←もういいね。ごめんなさい。)

【色鉛筆の難しさ】
カランダッシュの60色セット・・とか買っても
きっとあらゆる色が好きなように得られることはありません。

混ぜようにも混ざらないのでハッチングして遠めに色が近いと思えるように調節するしかない。
どうせ同じ色にならないのだから12色の100円ショップの色鉛筆でやってみることにしました。
(画材次から次に本格的なの買ってたら破産してしまうし^^)


肌色・・・色鉛筆の肌色ではちょっと赤すぎるな。。。うすーくたてよこにハッチングして黄色を薄く塗ってから白で弱めました。

バックの黄色:これはキラ刷りバージョンでないのでやや黄色にオレンジまぜてとにかくムラにならないように
横長にまっすぐ鉛筆を入れていきました。

服の緑・・・うーん。下のスキャンした奴だとちょっと明るいけど、黄緑をハッチして茶色をハッチしてそのうえに水色を満遍なくおいたら実物は結構いい色(本物:ってか上の写真)に近いと思ったのですが下地の黄緑・・・スキャンで強くでますね。。。。

ところどころの白い着物の模様。白はバックの色紙の色をそのまま抜きます。やや濃い緑で模様が入ってますが
色鉛筆の緑では明るすぎる。緑の上に黄緑と茶色で塗って最後に紫を使いました。


形どりについて・・・
人物はどうしても模写なのに自分好みな感じに描いてしまいます・・・。
気をつけてたんですが
浮世絵の女性の目は細くて小さく、現実からはありえないほど顔に対して傾いてます・・・が
どうも左目がややでかくしかも普通な角度で・・
本物より、目力強いような気がする・・^^(僕的にはこっちの顔の方が好みだから・・いいか・・・)
やっぱり浮世絵の女性の目・・・オリジナルが変すぎてついつい違う現代っぽい描き方になる・・・
あごもついシャープに線引いてしまった・・。でもこれもこのカーブの方が好み・・模写じゃないじゃん^^

おっぱいの模写は望みどおりの本物クオリティな感じでできたと思う(線だから簡単・・・。好みで乳首ピンク・・・爆)

↓これです^^

婦人相学十体_浮気之相_喜多川歌麿.jpg

あはは。楽しいなぁ・・もう3時になっちゃったよ・・・あほだ^^
浮気すんならこんなんがいいねってのが描けた様な・・・

最後に画集紹介して記事を終えます。


浮世絵ギャラリー〈5〉歌麿の美人 (浮世絵ギャラリー (5))

↑薄いけど大型だし、有名な美人画が一通り
婦人相学十躰「ポッピンを吹く娘」
婦人相学十躰「浮気之相」
高名美人六家撰「朝日屋後家」
歌撰恋之部「物思恋」
更衣美人図...

春画が入ってないのがいいです^^ 浮世絵でそこまでやられるとグロいし^^

画集はある程度の大きさで実物みてるみたいに楽しめるものであれば
やたらに色んな作品載ってる必要はないかなと思いますのでこれをお勧めしておきますね。

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琳派私淑 -夏秋草図屏風- 模写 [琳派]

皆さん。こんにちは。藤島 修(ふじしま おさむ)と申します。

このブログは日本画好きな素人である僕が趣味で有名な絵を模写してその画像をアップロードしてる
サイトです。

自分で勝手に誰かに感銘受けて真似して勉強することを「私淑(ししゅく)」と言うそうです。
僕は今、あらゆる偉大な画家を私淑して、(模写っていうよりいいですよね。^^)いくつもりです。
そこでこのブログを「私淑画人堂」・・・と名づけました。

僕はこんな風に絵を描くことを楽しんでます。
そしてみなさんも共有してくれたらきっと楽しいだろうと思って
こつこつと絵を描いていこうと思います。

コメントやメッセージなどお気軽にお願いします。



今日のテーマは
江戸琳派:酒井抱一の夏秋草図屏風・・・・。

酒井抱一作『夏秋草図屏風』.jpg

重要文化財です。

【絵の作者と絵について】

酒井抱一(さかいほういつ)
江戸時代の今から250年ほど前の画家です。
徳川家に家康の天下取り以前から使えてた大名酒井家の御曹司でした。
姫路藩の藩主の家柄で、お兄さんが家督を継ぎ、自分は病弱なふりして
出家して画家としての人生を全うしました。

最初は美人画なども描いてましたが
自分自身はあったこともない尾形光琳の絵を見つけて
光琳生誕100年の折に種々の絵を見つけては私淑して
模写し、大いに尾形光琳の名前を高めました。

尾形光琳に連なる画家の派閥は琳派(りんぱ)・・といわれますが
酒井抱一にいたるまでは
俵屋宗達⇒尾形光琳⇒酒井抱一
のそれぞれの人間はあったこともありません。

憧れだけで私淑した人をまとめて「琳派」と呼ぶようです。

ちなみに酒井抱一の後は弟子が後を継いで画風が伝わっていき
これは江戸琳派と別称されます。

酒井抱一は実家からの送金もあったのだと思いますが
高い顔料や金箔・金泥をふんだんに使ったきらびやかな絵を
たくさん残していて、目を奪われます。^^

この「夏秋草図屏風」は
尾形光琳の描いた風神雷神図屏風の裏側に
描かれた絵だそうです。

あちらは金箔の上に描かれていて
こちらは銀箔の上・・・

日本画というより古来中国から
金は昼の太陽の光を象徴し、
銀は夜の月の光を象徴するという考えがあるそうですが
昼の金に対してうらに夜の銀を配したのかと思います。

そして風神の裏には風にたなびくススキと飛ばされる紅葉
雷神の裏には流れる川と雨にぬれるススキや花をおいている。
抱一の光琳への気持ちでかき上げた様子がよく伝わるなぁと感じます。

絵のなかの空間も広くとられていて凛とした雰囲気を感じますし、
風神雷神も二人の神様の間の距離からくる緊張感があるのですが
そこに通じる不思議な印象があるなと思います。

参考に↓これが表(尾形光琳版の風神雷神図屏風)

fujin_raijin_korin.jpg



抱一は宗達や光琳以上に魅力ある画家だと思います。
↓この画集お勧めです。抱一前後の江戸琳派の絵がたくさん十分な大きさで楽しめます。

酒井抱一 (別冊太陽 日本のこころ)





【模写について】

いままではA5サイズの小さな色紙に描いてましたが・・・
今回は寄せ書きサイズというか・・・240mm×270mmのややデカイの2枚組で
描いてみました。

この趣味・・さくっと描くのが楽しくてA5サイズでやってみようと思ってたんですが
(だいたい一晩で描けるし^^・・・)
この絵(夏秋草図屏風)はA5のミニじゃ描けないと直感で思いました。

なんでデカくなきゃいけないか・・・
今まで描いた「雷神(尾形光琳)」「かきつばた(尾形光琳)」「雪松(円山応挙)」
の3枚で一番大変だったのに大してうまく描けてないと反省してるのが「かきつばた」
でした。

葉っぱが密生してる様子を本物は人の背丈ほどの屏風で、模写がA5の色紙というのは無理があります。

大きいサイズでやってみましたが・・・うひゃー、難しかったです。
葉っぱがたくさんある絵は本当に大変。
描いてるとどこやってるのかどんどん勘違いするし、
細い線を描くつもりで筆つけると「ぼたっ」としてしまう。
でも・・素人の遊びですからクオリティは別にとにかく描いては載せてみます。

左側(左隻:させき)
natsuakikusa_left.jpg


右側(右隻:うせき)
natsuakikusa_right.jpg


アトリエ紹介という二つ前の記事で下塗り工程まで紹介してるのですが
僕はアクリル絵の具というのを使ってます。
せっかく描いた絵がいつまでも残ってくれるように
水をはじく絵の具でかつ狭い部屋の中で油のにおいさせないようにと思って。

で本物はだいぶん傷んでるので銀がかすれてるようなので銀色を下塗りしています。
抱一の他の絵をみると完成当時にこのような薄汚れた色の下地を描いたはずがないと
思うので・・・想像で銀をとにかく平らに塗りました。

銀は金のように200年や300年の時を越えられる貴金属でなく、実質卑金属なので
きっと痛んでるのだろう・・と考えての下塗りです。

あとは白や赤(緋色)を後からススキの緑でつぶすつもりで描いておきました。

あと本物に見られるように川に金の線、葉っぱに葉脈が金の線で描かれているのを
真似しました。ただ・・・これは筆でやるのはほとんど神業のテクニックがいるなぁと
実感・・おはずかしながらぼたっと落ちてるところも散見しますね^^

川の流れは絶望的です。^^ 筆ペンやなんかで金の顔料的なインクが濃く置ける画材があれば
上塗りしてやり直したい^^

緑はアクリルの千歳緑という色とそれを等量の白と混ぜた色で葉の裏表を塗り分けました。
これもところどころぼたっと来てます(あはは)。

マスキングテープでカッター入れようかとかいろいろ考えたのですが
とりあえずこの状態であげます。

(正確に葉を1枚1枚書き写すのは無理なので
着想だけ同じくしてそのときの気分で葉を書いて
若干別の絵を描いてみよう・・)


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たぬきの金玉と猫をじゃらす美人にほっこり^^・・・歌川国芳展覧会@[原宿]太田記念美術館 [展覧会]

歌川国芳の展覧会行ってきました。

浮世絵・・あんまり・・・と思ってたんですが
あちこちのブログ見てるととてもよかったとの評判で
へーーと思ってサイト見てみるとぼやぼやして
早く行かないと終わっちゃいますので・・・

僕がこの人の作品で知ってたのは
「見かけはこハゐがとんだいい人だ」

とか
「人をバカにしたひとだ」

kuniyoshi_hitowobakani.jpg

みたいな人が集まって人の顔になる奴とか
あと、宮本武蔵が海で鯨に刀突き刺してる作品でした。

宮本武蔵は好きだったんだけど。。。
人が集まる顔の絵はどんなもんか・・確かに新しい試みなんだろうけど・・・
そんな前印象でした。

展覧会の詳細情報は末尾に載せますが
場所は太田記念美術館という原宿の小さな美術館
うーん。1000円か・・と思うくらいの小ささですが

浮世絵ってそれぞれ作品小さいしありかもしれません。意外とたくさんの作品が見れます。

会期中に前半と後半で作品入れ替えるらしいですが、
僕がみたのは後半。これから行かれる方も後半ですね。

肉筆の掛け軸が畳敷きのスペースにあります。(これに近寄るには下足。)
ふーん。うまいじゃない・・・大黒様とかを墨だけでさらっと描いてます。

肉筆スペースが終わると版画スペースですが
さっそく「見かけはこハゐがとんだいい人だ」とか「人をバカにしたひとだ」
が・・・

あらあら、いきなり出して見せるものなくならない?これが第一印象。

ですがこういう思いつきが次から次に出てくる奇才だったのですね。

ちなみに最近みつかったまぼろしの名品だそうです。
↓かさねのぼうこん
kasanenoboukon.jpg


猫や金魚や蛙やいろんな動物が役者のように見栄を切ってかっこよくなんかを演じていたり
猫を集めて「かつを」の字の形をなしていたり・・・
kuniyoshi_katsuo.jpg

だんだんと彼が描いていたワールドが見えてきました。

家に猫をたくさん飼っていたそうです。すごい動物好きだったとか・・・
猫はふてぶてしいのもいますが楽しそうで可愛いのもいます。

裃(かみしも)つけて福助みたいにお辞儀してる猫の裃には「小判」模様のカスリがあったり・・・
しゃれっけがあります^^
動物は幸せそうで動物のワールドを慈しんでるのがよく伝わってくる。

コミカルで、動物たちがいきいきしてる・・・人も生き生きしてる。
そういう魅力を感じました。

皮肉っぽいジョークの絵としては
影絵のように描いたまっくろの絵で「イセエビ」?と思ったら
釣竿日本もったおじさんの姿がその影絵とまったく同じ輪郭でよこにかいてある。

とか上から見ても下から見ても人の顔・・て奴あるじゃないですか・・
あれをたくさん描いてました。よく思いつくなぁ・・と感心しちゃう。


もう一つ影絵で「金魚の影絵?」・・・と思ったら、うう・・・恥ずかしくて書きづらいけど
たぬきがきん○まで漁師をドツいてる・・・

tanuki.jpg



彼の描くたぬきはまるで狐のようにやせていますが
その「き○たま」は自分の体の他の部分よりよほどデカい・・・
びろびろに広がる・・・

あー、もう○とか書いてても面倒くさいから直に書く^^!!

彼にとってたぬきの金玉というのは相当ツボだったようで20枚くらいあったんじゃないかと・・・
・金玉を海に向かって地引あみのように投げて漁をするたぬきたち
・金玉をふんどしのように自分の腰に巻いて相撲をとるたぬきたち
・お店の屋根から、金玉を下ろしそこにお店の名前を看板のように書いてあるたぬきたち
・さむいので自分の金玉を毛布のようにかぶって寒さをしのぐたぬきたち
・おやぶんたぬきが木の枝に金玉をかけてふんぞり返っていてそれをバチで他の狸が太鼓でたたいてる・・・。
などなどなど・・・

僕は笑いが止まらなくなってしまった・・・。静かにしなきゃいけないのに^^
彼のたぬきはすごいツボでした^^・・・

あと福禄寿(ふくろくじゅ)という頭がびょーんとたてに長い七福神の神様いますよね。
あの人の頭テーマにしたばかばかしい絵がたくさんある。かわいい神様ですね^^

彼はかなり遅れて出てきた浮世絵師らしいです。
天保の改革という政策が施行されたころの人で
やれ
「役者の絵は描いてはいけない」
「女性の絵は描いてはいけない」
と次から次に禁令がでたそうです。

最初は武者絵/役者絵と古典の豪傑(それこそ武蔵とか水滸伝の花和尚さんとか・・・)や有名役者の
絵で人気を博したようですがこのような禁令が出るたびに
さてこの絵はどう取り締まろうか・・みたいな絵を描いたらしい。

曰く
・金魚や亀に顔だけ当時の人気役者顔をいれた絵(気持ち悪いけど^^)
・猫や鳥役者に見立てた絵
・上のたぬきの例のような動物で笑わす絵
・・・・


この人の落款(サイン)は一勇斉 国芳(斉と国は旧字体)
好きなものを思いっきり描くぞ!って気概が伝わってくるような気がした。

役者絵はだめだ・・・といわれて
子供の落書きのようにしょぼい絵に混ぜて
役者の顔だけはしっかりイケメンに描かれてて
悪者(妖怪とか)はほんとに落書き。
落款(サイン)はチョークの落書きのようにずばり「一勇斉 国芳」と書き切ってるのがあって
男だなぁと。

すごい江戸なまりの典型的な江戸っ子だったそうで
高価な顔料かったら一晩で使い切ってしまうようなきっぷのいい人だったようです。

そういえばプルシアンブルー(オランダからそのころ渡来した青の顔料。日本ではべろ藍と言われました。)
をふんだんに使った絵もありました。

親分肌でたくさんの門弟を抱え、絵を教えてたとか。
奉行所が税をとりたてようにも金を弟子を優先にして配ってしまうのでとりたてられない
とか書いてたらしい記録があるとか・・・
火事があれば遠かろうが近かろうがいつでもそこまで行って消しに行くとか・・・

・・・・いい人だったんですね。動物の絵とか子供の絵とかにも人柄が滲むようなところがあります。

あ、美人画もありました(注:春画はない。←結構描いてるらしいけど)。
例の天保の改革で女性を単独で描いてはいけないが、絵の中に地域の名産品を含めればいい
とのことでなぜか蛸の名産地の絵が後ろにかかってますが、
女性が猫をじゃらして微笑んでる美人画でした・・・。

kuniyoshi_bijin_neko.jpg


清ましてぽっぴん吹いてる奴より、ちょっとふりかえってる奴よりよほど生き生きとした女性の姿
をみたような気分で、この光景を切り取る国芳親分のきっぷに感服。

基本ひきめ鉤鼻っぽいのですが、目の二重の表現などはとてもあでやかだと思いました。
これは実物か図録などの高品質なものみないと伝わらないと思います・・・。

好きなものたくさん描いて、禁令をするりと抜けて人に愛された画家だったのだと思う。
すごく好きな画家になりました。いつか猫とじゃれる美人を模写してみたいと思います。


さて、さらに面白い展示がありました。
オランダ渡りの図鑑のようなものを国芳がもっていてそれを粉本(日本画ではお手本をこういいます)に
して彼が絵を描いてたんじゃないか・・・という展示です。

その本の該当する絵と彼の絵を並べて見せて・・・なるほどね・・と。

西洋の写実的な絵が江戸後期の日本画家に与えた影響は大きくて
洋風画と言われる作品群があります。
彼も一部(こっけいな多数の作品がでる前です。天保初期)
透視図法の遠近表現をやったりしてるのがあります。
オランダのそれよりも極端なんじゃないかと思われるような遠近感。
このころに手に入れた西洋の図鑑を粉本にして絵を描いていた。・・・ありえるでしょうね。
というか展示を見てたら間違いないなとおもいました。

1時間半ほどで閉館時間で追い出されました^^
もっと見ていたかったけど・・・画集(図録)買って帰りました。
2400円・・痛いけど、それ以上に国芳親分が好きになりました^^。

これ・・お勧めです。


■■ 没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳 ■■

http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H230607kuniyoshi.html

【会期】2011年6月1日(水)~7月28日(木)

前期:<豪傑なる武者と妖怪>2011年6月1日(水)~6月26日(日)
後期:<遊び心と西洋の風>2011年7月1日(金)~7月28日(木)
(前後期で展示替え)

【会場】太田記念美術館
 〒150-0001
 東京都渋谷区神宮前1-10-10 
 TEL: 03-3403-0880  FAX: 03-3470-5994
 問合先: 03-5777-8600 (ハローダイヤル) 

【開館】午前10時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)


【休館】6月6、13、20、27~30日/7月4、11、19、25日

【料金】一般 1000円 ・ 大高生 700円 ・ 中学生以下無料


もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

この画集がよくでてますね。
この展覧会の図録の方がコストパフォーマンスいいかもしれませんがいけない人はこれ眺めてもらえば・・
(どっちかというと前半展示のイメージですが^^)
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アトリエ紹介^^ [画材の話]

少しブログ書くのサボってしまいました・・仕事が忙しくて
でも今日もちょっと描きました。まだ途中ですけど・・・

atellier05.JPG

いままでは金の下地のものと肌色の下地のものを描きましたが
なるべく色んな雰囲気のがあるといいなと思って銀色の下地の絵を模写してます。


原作は今年の11月に千葉県のとある展覧会にでる絵です。重要文化財・・・
まだあまり書き込めてないので出来上がったら名前つけてきちりと説明します^^

日本画では金は昼の太陽の光を銀は夜の月の光を象徴するんだそうです。
この作品は銀箔で下地作ってるので夜の絵なのかな・・・夏草と秋草が風に吹かれたり、雨に打たれてる図です。
雨の図には黒っぽいとても濃い藍色の川が流れてます。

今日はここまでの過程でどんな道具使ってるか記事書きます。
このブログは・・・「あ、僕も描いて見ようかな」って思ってくださる方増やしたいのもあって
やり始めてるから僕がやってる模写のやり方説明するのもいいと思うんです。

僕はこういう絵画の模写を音楽のカラオケのような楽しみ方だと思っています。
以下に対比してみます^^

「プロとして自分でオリジナルな作品を本格的に描く」
(日本画の顔料岩絵の具(=とっても高い)をきちんと入手して、何年も修行して描く。展覧会デビュー)
⇒バンドのメンバー集めてしっかりクオリティあげて売れる音楽を創作し、歌う。CDデビュー

「どっかの美術展を見に行く。画集を買って眺める。」
⇒音楽のライブに行く、CD買う。

「憧れの絵を見て、模写をする(本格的)」
⇒コピバン作って自演する。

「憧れの絵を見て、模写をする(アクリル絵の具などの使いやすいものでやる)」
⇒カラオケで気分よく勝手に歌ってる。


絵画のカラオケ=僕がやってるアクリル絵具模写です。
安いし、使い易い道具でできますのでよかったらみなさんもやってみようとか思ってほしい。
かつよければ僕と友達とかなってください^^ あ、facebookフレンド大募集中です。


アトリエ紹介・・て言っても要はマンションの部屋の一つで4.5畳間。
こんな道具をおいてるだけ。
↓基本これだけです。(ただし、たまーにどうしてもほしい色がないときはポスターカラーなどを混ぜることがあります。)
atellier01.JPG

1.使いふるしたパレット。
2.アクリル絵の具種類を厳選して17色。
3.絵筆6本・・・ほとんど百均のもの(一部高いフランスの筆。真ん中の青い奴です。^^まだ使ってないけど・・・)。
4.コンビニで買った105円ウーロン茶の紙パックをハサミで切って作った水入れ。
5.習字用の水差し。
6.色筆ペン(茶・緑)。
7.習字用の筆2本(たまに墨汁使うときに利用)
8.絵を描くための色紙

アクリル絵の具は顔料をアクリル樹脂に溶かしこんだもので水気が飛んで乾くとプラスティックなので
水でとけません。
でもって顔料がしっかり入ってるから上から塗ると下の色はすべて隠れます(不透明)。
描いたら長くそのままで残ってほしい・・そう思う気持ちと部屋の中で油のにおいさせるのが嫌で
アクリル絵の具に落ち着きました。
ちょっと透明水彩よりぬりづらいような気もするけど描いた絵の寿命のためにと思い我慢してる感じです。


色数が少ない日本画の場合、下地(金とか銀とか)をさっと大きい平筆で塗って
上から塗っていけばそれなりに見れるようになります。
色紙を使ってます。よく寄せ書きで使うようなものなら、
百円ショップで3枚で百円くらいで買えるし、
一枚がだいたい二曲という屏風の片側分くらいの縦横になるので二曲一双という形式の屏風なら2枚、
六曲一双という形式の屏風なら6枚でちょうどいいような模写ができます。

色は納得いくまで混ぜて模写の対象の絵を見ながらある程度色が近いと思ったら同じ比率で各色を混ぜて
塗りたい部分の量に合うくらいの量を作ります。
atellier04.JPG


でも・・・アクリル絵の具は普通の透明水彩絵の具よりは乾き易い。
だから、筆を傷める可能性が高いそうです。
だから乾きにくいように習字用の水差しでパレットに水滴足しながら絵の具が固まらないようにしていきます。

atellier03.JPG

水入れは別に道具いらないですね^^・・紙パックとかでやってます。
筆を洗うのが目的なので一回大雑把に洗うためのとその次にしっかり洗うための2つを紙パック切断で作ってます。
習字水差しは大事ですね。いつでも筆を洗う水と別にパレットに真水が継ぎ足せるのは色を綺麗に保つのにいいと思う。

絵の具は以下のように「和」と書かれてるものをなんとなく画材屋さんにいったときに気の向くまま買ってしまいますが、実はまだ使ったことない色もあります。
atellier02.JPGatellier02.JPG

アクリル絵の具は日本画の岩絵の具に比べたら安いし、一本にたくさん入ってますのでお勧めです。
(だいたい二倍の値段で半分くらいしか入ってません)

atellier00.JPG
筆・・・なるべく細い細密なのが書きたいのでこんな細い筆をわざわざ注文入手しました。
日本画は川の流れも黒字に金色の線を引いて表現したり、葉っぱの葉脈が金色でかかれたりします。

オリジナル現物は人の背丈ほどもあるところに面相筆という細筆でかかれてるのが普通です。
これを手で持てるコンパクトな色紙に小さいミニチュアに描くのでどうしても細密な筆がほしくなります。
これだけはちょっとお金使いました。



ラファエル 短軸 8224 ナイロン 丸筆 極長穂 6/0号


amazonのリンク入れたけどこれだけだと送料の方が高くなってしまうので

ラファエル 短軸 8254 ナイロン 平筆 大 18号

こんなのもあっていいかもしれません。

このラファエルと言うのは筆の名門ブランドらしいです。

僕は画材屋さんで筆探してるときに店の人からアドバイス受けて
ナイロンの毛の筆を買いました。(とはいえなにか動物の毛も混ぜてるらしいです。)

透明水彩なら、コリンスキーとか、赤テンとか、そういう動物の毛がよいとされるのですが
アクリルというプラスチックに浸して洗うので傷みやすいから、ナイロンの方がいいのでは・・
と言われました。
アドバイスありがたかったので500円の筆一本じゃ申し訳なくて18号のひらふでも買いました。
毛の量で値段が決まるので基本的に号数の大きいのが高いです。

フランスの国旗の袋に入ってて筆の軸が真っ青で毛が金色に鮮やかで
なんとなく持ち物としておしゃれで気に入ってます。
ミーハーなので・・・^^

ちなみに日本画の筆も見たのですがあまり細密に描けそうな細いのはありませんでした。
面相筆にイタチの毛を使ってます・・・というのがありましたが高いし、僕がやろうとしてることに
比べたらブっと過ぎるので辞めました。

次は細かく塗るところをご説明する記事にしますね。
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ワシントンナショナルギャラリー展 [展覧会]

この一つ前の記事と同様にもう過ぎてしまったとある平日の話です。
会社サボって (=もちろんちゃんと有給休暇ですよ)
美術館いってました。平日はいいな。美術館広々してます^^。

これは日本画模写のブログなんですけど、洋画もすきなんで・・・・

こっちはまだまだやってるのでご興味ある方どうぞ
六本木の国立新美術館のワシントンナショナルギャラリー展

http://www.ntv.co.jp/washington/index.html

土日にも行ったからもう二回行ってます^^
もう一回くらい行きそうな気がする・・・

期待を裏切らなかった。すごいこれはこれはという有名な絵が惜しげもなく・・・
こんなに貸して本家のワシントンはどうしたんだろう・・
日本が苦難の時期だから貸してくれてるんだろうかとまで思った。
だったらこれ東北の人に見せてあげなきゃ・・

印象派という言葉で人くくりにされる人がたくさんいるけど
その浮き沈みや歴史を感じる展覧でした。

マネの絵がポスターなどで出てます。これが一番の見せ場なのかと思ったら
ゴッホの自画像とか、セザンヌの風景画とかごまんとありました。

僕は印象派といえばどの画家がすき・・・と言えばベタですけどルノワールですが
あんまりなかったな・・ただ素敵な絵はあります。
ルノワールの踊り子・・・これはフランスに残ってる彼のほかの絵画にあまりない雰囲気だな・・
と周りに溶けちゃうような服ときりっとした少女・・・


今回印象に残ったのはモネでした・・。再発見したというか、直に見ると印象かわる。
たいがい「お、こんなにいいのか・・・」と言う感じでたいがいいいほうに印象変わります。
だから展覧会は実際に見てみる喜びがあるんでしょうね。

さて・・・
モネ・・・明るい薄い色が好きなんだけど、たぶん誰でも見ると「あーあれね」といいそうな。日傘さして子供連れてる女の人の絵(下から風が拭いてるような・・奥さんと子供らしい)ありました。
これ大好きな絵でした。なんかドラマ感じるんですよね・・・

モネはあかるい色を使うのがとても上手だなと思います。
例の睡蓮などみてると水面の平らさを表現するあかるい葉っぱと水底に沈む水面下のものの同時に
見える表現は本当に心奪われる。
すごく家族を愛してた人なんでしょうね。
子供が生まれたばかりのゆりかごを描いてる絵・・・柔らかい布でインテリアが囲まれてる質感が滲んでいてとても優しい。

(あ、これは展覧会見終わった後に画集でみたのですけど
 ↓
 彼が最初の奥さんを看取るときに描いた絵というのもありました。
 (カミーユといお名前なんですね。男性の名前かと思ってた。)
 このような瞬間を画題にするのかという意見もあるようですが、絵しか彼にはなかったんだと思います。
 家族思いで浮いた話の一つもない実直な彼ならではの悲しみ方だったんだろうなと僕は思いました。
 そういう重たい悲しみが伝わってくる絵でした。ショップで少し立ち止まってしまった。
 遊び歩いてた画家がやったらいやに思うだろうな・・・でもモネならありです。)
     
ちなみにルノワールがモネの奥さんと子供書いてる絵も(構図ぜんぜんちがうけど)あって、おお作風の違い感じられて面白いなぁと思いました。

あとセザンヌも注目しましたね・・・。
正直、これまで画集で眺めるだけだと「そんなにいいかねぇ・・」
みたいに思ってました。美大出たわけでもなく理論をちゃんと勉強してないのでよさがわかってるわけでないので。

でも絵を形で構成する試みをはじめてやった画家だというのはよくわかりました。
赤いチョッキの少年(このコレクション以外にもあちこちにこの少年のモチーフを描いてたと思います。)
や静物や山のそれぞれ有名な(どっかで見た)作品が見れます。

のちのピカソやその他の抽象画のDNAだといわれればよくわかる・・・。
きちんと叙情的な絵画としてはぎりぎりの遊びな気がします。

「画家の興味は形を正確にとらえることよりも絵画としての可能性をさぐることにある・・」
そんな感じのコメントが静物の絵に添えられてましたがなるほどと思わされます。


いろんな人がしのぎ削って切磋琢磨してたんだなぁ。 印象派というのは


日本画のアクリル模写のサイトなので作品に対する感想はこの程度にしておきますが
このワシントンナショナルギャラリーはそうそうたる画家の作品がありましたから
行った人がそれぞれなんか打たれる作品があるでしょうね。これは行かないと損。

これだけ付言して、あとはショップの状況でも


ショップでは残念ながらモネの日傘の夫人の絵のグッズ絵葉書のみ・・
クリアファイルにこれがもれるんだ・・・確かにいろいろいい作品あるからなぁ・・
モネの特集載った安い本一冊買いました。(がっかりしてその日の午後は仕事しましたとさ^^ )
洋画も模写しようかな・・・なけりゃ自分で書かなきゃ・・クリアファイルにできないかな・・・

絵葉書はめぼしいもの一通り、7-800円でちょっとお得にパックになってるのが3種くらいあります。
パックはわりと雰囲気の似てるのが集まってるのでどれか一個くらいで自分の好みが落ち着きそうですね^^

イーゼルにミニチュア模写が2500円くらいでいろいろ。(もちろんよくある5-6万以上のしっかりしたサイズの模写も売ってました。)
500円ポスターやクリアファイルはかなり絞り込まれてます。もうちょっと作ってほしかったな・・・
マネのポスターTOPの絵とか・・・
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パウル・クレー展(終わらないアトリエ・・・) たまには洋画の展覧会の話も・・・ [展覧会]

これはもう過ぎてしまったとある平日の話です。
ちょこちょこ会社サボって (もちろんちゃんと有給休暇ですよ)
美術館いってました。平日はいいな。隙間が多い^^。

これは日本画模写のブログなんですけど、洋画もすきなんで・・・・

まだやってるのでご興味ある方どうぞ
まずは竹橋の国立近代美術館のパウル・クレー展

http://klee.exhn.jp/

数年前にクレー展が日本であったのだけど見逃してたので
(多作な人なのでそのときとかなり違う作品があるんだろうが・・・)
今度こそ・・と狙い定めて行きました。

この人はスイス生まれで戦時中にドイツを転々として創作した人です。

日本では素描のかわいらしい天使とか、
幾何学模様の子供の落書きみたいな抽象画が多くて、非常に人気。

たぶんほんわかした感じを抱いてる人が多いんじゃないかと・・

セレビーなおば様とお姉さまがたくさん来てました^^。
平日だから、まあそうだよね・・・意外と混んでた。

よく谷川俊太郎とかが絵にあわせて詩を書いたりする・・・。

・・が実生活ではかなり放蕩な人生を送ったようです。
女性遍歴も多い。

実家は音楽家の家庭で、ピアノがものすごい得意だったらしいけど
モーツアルトがすでにこの世にあれだけのものを残したのに
音楽で僕がやるべきことがあろうか・・みたいなことを言って
絵に傾倒していったようです。

初期に暗いグロテスクな作品も意外とあるし、
ほんわか天使も副題にエロなタイトルのものがあったり、
なんでもないようにみえる抽象画も「淑女が密室でしていること」
とかタイトルつけて「・???」みたいなの多い^^。
(何してるんだろう・・・形的にはなんだかさっぱりわからんかった)

ロシアのカンディンスキーとかがよく比べられるけど、あっちはすごく幾何学的で、
かたやクレーにはどろどろしたアナログなものを感じます。

そうそう、子供が思いつきで書く勢いのようなものを原始的で本来的な
創作だとかいって、素描もそういうものを目指したらしい。
一見稚拙な絵ですが、とても手が込んだ作品が多いようです。

素描して、キャンバスに輪郭を転写して、色を塗ったり裏面もあるようにしたり、あるいは絵を切断して組み合わせたり、部品として回転させて再構成したり・・・

この展覧会はこういう過程がよくわかるように工夫されてました。
興味深かった。


そして大きな作品を切断したらそれぞれが別のところで飾られたりしてるようです。


よくよく部分を見ると稚拙な怪人の絵のうろこみたいなのが油彩独特の光沢で緻密な金属のうろこのように見えたり・・・・ 近くで見たり遠くで見たりすると作品が二倍楽しめる。



本当の晩年の彩りのものや天使素描などを除けば
基本摩訶不思議でおどろおどろしい。



黒い奴に強くて明るい赤の炎とか・・・
明るい色があっても闇の中だから際立つ感じの作品が印象強かったな。
僕にとっては彼は闇の印象を与える会社。


竹橋の国立近代美術館は常設にもクレーが5枚くらいあります。
そして日本画のコレクションがたくさんある・・(これは別途説明します。僕はちょくちょく遊びに行ってます。)

日本の洋画黎明期の名作もたくさんあって(美術検定に出てきそうな^^)
しかも、北の丸公園などのまろやかデートスポットに絡められるお勧めロケだと思う。

クレー展覧の話に戻ります。
ショップではちょっと我慢しました。
これ買おうかなという作品がクリアファイルとかになってなかったんで^^ 
趣味っていろいろ・・クレーだと有名なのが一部でかつ多作なのでほしい作品がグッズになってませんよね。

あ、天使シリーズのアクセサリ(気まぐれ天使とか・・)何個かみつけました。
おととしの展覧の売れ残り?^^本展にはいっさい天使シリーズなし。 (←これ注意)

かわいいけど・・・高い・・男がつけてもかっこわるいから断念。
このやさしげな天使とあの闇が同じ人物の創作とはねぇ・・・

クレーの創作態度がよくわかるおもしろい展覧会です。
まだな方お勧めですよ^^

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